河合雅司『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』

昨日の忘年会でオススメしてもらった一冊。これからの日本がどうなって行くのか知りたくて手に取ったが、なかなか刺激的。

 

少子化高齢化について聞いたことがない人はいないと思う。ただ、その実態の詳細まで語れる人はそうそういないのではないだろうか?

 

私は教員として「目の前の生徒たちが社会で活躍していけるような力を育てる!!」と意気込んで日々の仕事に臨んでいる。しかし私の考えている「社会」と生徒たちが生きて行く「社会」にはおそらく大きなズレがある。

 

今、私が想定している社会は現在の社会の延長線上にある社会である。今ある日常が続くわけがないとわかりながらも今ある日常で活躍する生徒を育てようとしていた自分がどこかにいる。

 

では生徒たちが進んで行く社会には何が待っているのか?そんなことを昨日参加したClassiが運営している『実践アクティブラーニングワークショップ』にて痛感した。

 

求められる力が変わってきたのはわかる。では求められる力が変わってきた背景にある社会の変化は?その答えを知るためにこの本を手に取った。

 

人口減少に伴い、これからの日本が直面する課題は大きく整理すると4つに分けられる。第一に出生率の減少。第二に高齢者の激増。第三に社会の支えての不足。第四に彼らが互いに絡み合って起こる人口減少。

本著で取り上げられている問題は大きくこの四つである。(ただし、本著の内容以外にもAIや財政、移民など数々の問題があるので、考えなければいけない要素は膨大である…)

 

では、実際には人口減少はどのように進んで行くのだろうか。

2015年の国勢調査によると日本の人口は1億2709万5000人だった。これは5年前の調査と比べ、96万3000人の減少である。年平均19万人以上もの減少が見られる。

 

かなり長期的な視点で人口減少の統計をたどってみると40年後には人口は9000万人を下回り、100年後には5000万人ほどになる。さらに長い目で見ると200年後には1380万人、300年後には450万人だという。さらに言えば西暦3000年には日本の人口は2000人にまで減るというのだから驚きだ。(あくまで統計上)

 

ただし、統計とは言っても合計特殊出生率の増加が見込まない以上、少子化は喰い止めようがない。また、医療技術の発展による平均寿命の向上と晩婚化の影響により、ダブルケア(介護と育児の両負担)の問題も生じ、一層子育てしにくい環境がつくられる。

 

また、15〜49歳以下の出産可能年齢とされている層の人口が減少している以上合計特殊出生率の増加を目指した政策だけでは少子化対策とはなり得ない。考えれば考えるほど、「どのように人口減少を食い止めるか」ではなく「どのように人口減少して行く社会と向き合うか」という問いをもって生きて行くしかないのではないかと思う。

 

では、人口減少が引き起こす主な問題をリストアップしていこう。

 

2017年おばあちゃん大国に変化

→性別による平均寿命の差異により、女性高齢者の割合が増加。この世代の女性高齢者は労働についていない場合が多く、社会保障の財源に大きな課題が生じる。

 

2018年国立大学が倒産の危機に

→地方の18歳人口の減少により地方国立大学が倒産の危機に陥る。

 

2019年IT技術者が不足し始め、技術大国の地位が揺らぐ

 

2020年女性の2人に1人が50歳以上に

社会保障少子化の二つの課題がさらに進む。また、離婚や配偶者との死別などによる世帯数の増加による介護の必要性の増加なども挙げられる。

 

2021年介護離職が大量発生する

→先述のダブルケアや要介護の増加。制度や慣習などの理由により、介護休暇が取りにくい日本では介護を理由として離職が増加し始める可能性が高い。

 

2022年ひとり暮らし社会が本格化する

→人口減少にもかかわらず世帯数は増加する。理由は単身者の増加と離婚の増加、あとは高齢化、長寿化による配偶者との死別後の期間が長期化するためである。社会保障や介護などの負担が増加するものの、介護施設や制度の整備が整わず、問題が生じる可能性大。

 

※1988年には人口は1000人あたりの離婚率は1.26だったものの、2002年には2.30になっている。2016年には1.73と落ち着いたものの、3組に1組は離婚している計算になる、

 

2023年企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる

→50代人口がピークを迎え、人件費が増大。

 

2024年3人に1人が65歳以上の超・高齢者大国へ

→ダブルケアの問題が深刻化。子育てしながら介護って相当大変だろうな…

 

2025年ついに東京都も人口減少へ

→人口減少に苦しむのは地方!という都市伝説が崩れ始める。地方から出稼ぎに来た人たちが東京へと介護が必要となった家族を呼ぶ。現在の東京都の人口増加は出生率のの増加ではなく、地方からの流入に支えられている。現在の恩恵が未来の懸念材料へと転換される。東京の医療施設・介護施設は不足し、必要な支援を受けられない高齢者が増加する。

 

2026年認知症患者が700万人規模に

 

2027年輸血用血液が不足する

→個人的にこれはかなりの衝撃。怪我をした際に輸血用血液が必要になるものだとばかり思ったいたが、緊急手術などで使用されている輸血用血液は約3.5%だけだという。約80%はガンや心臓病、白血病などの治療に使われている。とりわけガンの治療には約40%の輸血用血液が使用されている。とりわけガンによる死亡率が高い日本では高齢者が増え、ガン治療の必要性が増すようになると輸血用血液の不足は大きな社会問題になる。

 

2030年百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える

2033年全国の住宅の3戸に1戸は空き家になる

2035年未婚大国が誕生する

2039年深刻な火葬場不足に陥る

2040年自治体の半数が消滅の危機に

2042年高齢者人口が約4000万人とピークに

2045年東京都民の3人にに1人が高齢者に

社会保障の増加と労働人口の減少のダブルパンチ!!

 

2050年世界的な食料争奪戦に巻き込まれる

→食料自給率が低い日本。実質的な水の大量輸入国日本の未来はいかに?

 

2065年〜外国人が無人の国土を占拠する

 

一通り問題点をリストアップしたものの、書いているうちにだんだんと恐ろしくなって来た…

 

本著では問題の指摘ばかりではなく、改善策、課題案の提示もしている。

その辺りは是非本著を手に取り、読んでいただけたらと思う。

 

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